第47回有機金属化学セミナー
講習会:ものづくりに使える触媒反応
主 催 | 近畿化学協会有機金属部会 |
協 賛 | 近畿化学協会・触媒学会・日本化学会近畿支部・有機合成化学協会関西支部 |
有機金属化学セミナーは,産学界の潮流に合わせてその内容を変えながら,有機金属化学に関する幅広い情報を提供してきました。実用的な反応を中心に,有機金属触媒反応の基礎から有機合成への応用,機能性有機材料への展開まで,実際に役立つ厳選された内容です。有機金属化学を必要とする全ての方々にお勧めできる,有機金属化学を系統立てて学ぶ絶好の機会です。これまで近畿圏の大学院生,企業研究者を中心に好評を博してきました。今回オンラインセミナーとすることで日本全国に「ものづくりに使える触媒反応」の真髄をお伝えすることが出来ます。奮ってご参加下さい。
[日 時] 2021年6月8日(火) 9:15-17:20
- 本セミナーはZoomを用いたオンラインセミナーです。
(開催終了後,期間を限定し,動画配信を行う予定です。)- 視聴用のURL等をメールにてご連絡いたします。テキストは郵送いたします。
- 当日,可能な範囲で質疑応答の時間を設けます。
1.「遷移金属錯体触媒反応を理解するための基礎知識」 (9:15-10:25)
大阪府立大学大学院理学系研究科 大橋 理人 氏
高効率,かつ,高選択的な分子変換を可能にする触媒として活用されている遷移金属錯体の反応性を理解するために必要な「有機金属化学の基礎」について概説する。本セミナーを通じて遷移金属錯体の基本的な素反応とそれらの反応機構に関する理解を深めるとともに,自身で新反応を設計する際に必要となる基礎知識の習得を目指す。
2.「有機典型金属反応剤の活用と触媒的不斉合成反応への展開: P−キラルホスフィン配位子の合成と不斉水素化への応用を中心に」 (10:30-11:30)
千葉大学名誉教授・北海道大学客員教授 今本 恒雄 氏
触媒的不斉合成は光学活性化合物の高効率的合成法の一つであり,その成否は用いる不斉配位子の立体構造と電子的性質に大きく依存する。近年,リン原子上に不斉中心を有するP−キラルホスフィン配位子が種々の遷移金属錯体触媒不斉合成に用いられ,その特異な不斉誘導能と高い触媒活性に関心がもたれている。本講演では,有機典型金属反応剤とホスフィン−ボランを用いるP−キラルホスフィン配位子の合成法について述べるとともに,不斉水素化などの触媒的不斉合成への応用例を紹介する。
3.「クロスカップリング反応」 (12:50-13:50)
京都大学大学院工学研究科 藤原 哲晶 氏
2010 年ノーベル化学賞の受賞対象となった鈴木-宮浦反応に代表される,遷移金属触媒存在下での有機ハロゲン化物と有機金属化合物の炭素-炭素結合形成反応(クロスカップリング反応)について概説する。反応に用いる金属触媒の特徴,有機ハロゲン化物の適用範囲ならびに利用可能な有機金属化合物の種類といった基礎的な事項から,最近のクロスカップリング反応の急速な進展を支える新触媒や新反応剤について述べる。また,Buchwald-Hartwig 反応などの触媒的炭素-窒素結合形成反応など関連するカップリング反応についても紹介する。
4.「C-H官能基化」(14:00-15:00)
大阪市立大学大学院理学研究科 西村 貴洋 氏
C–H活性化を利用した分子変換は,効率よく炭素−炭素結合形成を行う手段として急速に発展し,クロスカップリングやメタセシスと並んで,有機金属化学の教科書においても大きく取り上げられるようになった。一口にC–H官能基化と言っても,その反応機構や反応形式は実に多彩であり,炭素−炭素結合形成のみならず,炭素−ヘテロ原子結合形成反応へと展開される。さらに,活性化するC–H結合の位置の制御や,立体選択的反応への応用も進んできた。本講演では,C–H官能基化反応の基本について概説するとともに,有用物質合成に応用されている実例についても紹介する。
5.「オレフィンメタセシス反応」 (15:10-16:10)
大阪府立大学大学院理学系研究科 神川 憲 氏
遷移金属カルベン錯体を触媒活性種として炭素-炭素二重結合の切断と形成を伴う反応は,「オレフィンメタセシス反応」として知られており,今や有機合成化学における合成戦略にはなくてはならない分子変換ツールとして広く活用されている。この反応は,Ziegler-Natta触媒の研究過程で見いだされ,その後,グラブス触媒に代表される触媒活性と官能基許容性に優れたメタセシス触媒の開発により反応の適用可能範囲も大きく広がった。本セミナーでは,メタセシス反応触媒の設計概念と有機合成への応用について,最近の研究例を含めて紹介する。
6.「遷移金属触媒反応を活用する機能性有機材料の合成」 (16:20-17:20)
関西学院大学大学院理学研究科 畠山 琢次 氏
有機発光材料,半導体材料,光電変換材料など有機エレクトロニクスの根幹をなす機能性有機材料の主役は,パイ電子共役系分子である。したがって,所望の光機能や電子機能を発現する材料を簡便に合成するためには,sp2 炭素-sp2 炭素結合や sp2 炭素-ヘテロ元素結合などを直截的に,しかも効率よく構築することのできるカップリング反応や C–H結合官能基化反応などの活用が欠かせない。本セミナーでは,そうした遷移金属触媒反応を利用した機能性材料の合成例を,有機材料に関する基礎知識を交えながら紹介する。
オンライン交流会 (17:30~19:00)
先着80名(ブレイクアウトルームを利用します)
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参 加 費 | 消費税を含む 有機金属部会法人会員・大学官公庁所属会員 7,500円 協賛団体会員 10,000円。 一般 15,000円 学生 2,500円。 |
申込締切日 | 5月12日(水) 定 員 300名 * 締め切りを過ぎましたが、申し込みを受け付けています。 |
申込方法 |
HP(https://kinka.or.jp/form/view.php?id=12124)からお申込の上,参加費を送金して下さい。
参加費は、銀行振込(三井住友銀行 備後町(びんごまち)支店 普通預金No.1329441 一般社団法人近 畿化学協会 / ゆうちょ銀行 〇九九店 当座預金 No.0064179一般社団法人近畿化学協会)、郵便振替(00930-5-64179 一般社団法人近畿化学協会)、のいずれかでお願いします。(振込手数料は参加者でご負担願います。) |
問い合わせ先 |
〒550-0004 大阪市西区靭本町1丁目8番4号(大阪科学技術センター6階)
近畿化学協会有機金属部会 電話 06-6441-5531 e-mail: om@kinka.or.jp |